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才コンについて
あなたの作品をコンテストに応募しませんか?
全国児童才能開発コンテストは昭和38年に制定され、以来毎年行われている顕彰事業です。
図画部門、作文部門では、学校を通して応募を受け付けており、
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作文部門とは
作文を通して、自分の思いや願いを文章で表現する力を育みます。
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図画部門とは
感性や想像力を働かせながら、自分の思いを絵に表現することを狙いとしています。
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科学部門とは
科学への興味・関心を深め、物事に対する知的好奇心を育みます。
毎年たくさんの作品を応募いただいています
こんな風に審査しています
令和5年度(第60回)審査会レポート
作文部門
令和5年度(第60回)受賞作品
審査の経過
総評 文部科学省教科調査官 大塚 健太郎
制約の多い日常から少しずつ解放され、日常生活を取り戻してきたように思います。元気な声の聞こえる学校生活が戻ってきたことは喜ばしいことです。今回集まった作品からは、日常生活でのちょっとした気付き、自分の経験や身近な人との交流、世界の出来事への思いなど、子供たちの感じる心によって切り取られた自分なりの考えや感想が、どの作品からも感じ取ることができました。特に高学年の作品からは、自分を見つめる作品が目立ちました。また、社会とのかかわりを見つめる時期でもあり、そういう時間を経て成長しようとしていることも感じることができました。
さて、最終審査に残った作品を振り返ると、作文を通して伝えたいテーマがはっきりしているものが多かったように感じます。また、独自のものの見方で世界を切り取って表現している作品に力強さを感じることもできました。さらに、生き生きと目の前に立ち現れる人々の行動や、その時のわくわくする気持ちなどが、選び取った言葉によって豊かに表現されていました。
日頃から言葉による表現の違いに注意しながら文章を読んだり、周りの人たちとの会話を楽しみながら人の気持ちに想像を膨らませたり、身の回りの小さな変化や世界の出来事に関心を払うなどしてそのことを考えたりしながら、少しずつ自分というものが形成されていきます。その過程で、言葉を通して表現する、自分の考えや感想を伝えることの喜びを感じ、そのために文章表現を磨こうと努力してきた結果ではないでしょうか。
最後になりましたが、支えてくださった保護者の皆様、指導くださった教職員の皆様、コンクールに関わられた皆様に感謝を申し上げます。また、来年もたくさんの作品に出合うことを楽しみにしております。
図画部門
令和5年度(第60回)受賞作品
審査の経過
総評 文部科学省教科調査官 小林 恭代
今年も全国児童才能開発コンテストで、たくさんの作品に出会うことができました。審査員の先生方と、一枚一枚の絵を丁寧に、どんな思いで表したのか想像しながらじっくりと見させていただきました。
絵に表すときに、皆さんは様々なことを自分で決めていきます。何を表そうか、紙は縦にしようか、横にしようか、どこにどれくらいの大きさでかこうか、何色でぬっていこうか、絵の具やクレヨン、色鉛筆、どれを使おうか・・・。そうやって、自分の「これを表したい」という思いを大切に、自分にとっての意味や価値をつくりだしています。これは、簡単なことではありません。うまくいかないなと感じることもあったでしょう。それでも粘り強く、自分の表したいことを実現できるよう挑戦し、1枚の絵をかきあげたときには、充実感や満足感があったのではないでしょうか。
「これを表したい」と決めることが難しいという人もいるかもしれません。表したいことを見付けるには、きっかけが必要ですね。実は、そのきっかけは皆さんが生活をしている中にあるのです。大好きなこと、思い出に残っていること、感動したこと、どうしても伝えたいことなどを思い出してみてください。様々なことを心に感じ取る働きを「感性」と言います。美しいものや優れたものに接して感動したり、体験したり、多くの人たちと交流したりして、様々なことを感じ取ることを大切にしてほしいと思います。そして、これからも、自分らしさを大切にし、絵に表すことを楽しんでいってください。
先生方、保護者の皆様には、子供が様々な思いをもっていることを心に留め、あたたかく見守っていただいていることと思います。私たち大人は、子供の挑戦を支える存在でありたいと思います。子供の表現を見守り、共感していくことが大切なのだと思いました。これからも、一人一人の子供が、自分の思いを大切にして絵に表す活動を進めることができるよう、その子供らしい表現を励まし、支えていただきますようお願いいたします。
来年も、多くの皆さんの表現の輝きに出会えることを心より楽しみにしています。
科学部門
令和5年度(第60回)受賞作品
審査の経過
総評 中部大学特任教授 黒田玲子
全国児童才能開発コンテストは、今回で第60回という節目となりました。また、長い間、新型コロナウイルスによってさまざまな影響を受けてきた生活も、ほぼ以前に戻ったように実感します。そうした中、コンテストの科学部門には多数の優れた作品の応募があり、大変嬉しく、わくわくしながら審査にあたりました。
各作品は、子供が学校の学習で体得した知識などをベースに、ものの見方・考え方の広がりと深まりの過程を、工夫をこらしながら科学的に記録したものといえます。今回、最終審査に残った各学年3点、計18点の研究作品はいずれもレベルの高いもので、次のような観点で審査されました。
●子供の発達段階相応の題材や内容、考え方で研究されているか。
●科学的な手法で研究が深まりをもっているか。また、継続研究の場合、方向性や進展性は適切かどうか。
人類は、世界的に急増している気候変動が原因とみられる自然災害への対策や、国境を越える感染症対策などが急務となっていますが、今後もさらにさまざまな分野での科学的な研究や知見が求められていくことでしょう。当コンテストの審査に長年参加していますと、研究熱心な子供が多いことに本当に感心します。将来の科学者を目指して、さらに多くの子供が科学への興味・関心を深めてくれることを期待します。