受賞作品展示 作文部門
令和3年度(第58回)受賞作品

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文部科学大臣賞(高学年の部)

あしたも来るね

富山県入善町 飯野小学校 6年

笹島 浩裕

審査員のコメント

 大好きなおじいちゃんが脳梗塞で突然倒れたその朝から、無事退院してくるまでの間の心配と不安でたまらない毎日を綴った作品です。 緊迫した場面を想像させる書き出し。その後の心配と不安で押しつぶされそうな気持ちを丁寧に表現していきます。 途中、なぜおじいちゃんが大好きなのかを、まるで種明かしでもするかのように回想していく段落を挟む構成により、 おじいちゃんとの時間がかけがえのない時間であったことに改めて気づき、「あしたも来るね」と約束します。 おじいちゃんが大好きな気持ちが溢れ出るすばらしい作品でした。
crown

受賞者の言葉

 文部科学大臣賞を受賞したことを知ったとき、ぼくは、とびはねるくらいにうれしくなりました。この作文を書けたのは、これまでじいちゃんとばあちゃんが、ずっとそばにいてくれて、ぼくをたくさんかわいがってくれたからだと思いました。
 じいちゃんとばあちゃんに受賞の報告をしたとき、じいちゃんとばあちゃんは、「本当にそんなすごいことあるの。」と、ぼくに何度も聞き返し、とても驚いていました。そして、「すごいね、すごいね。」と、喜びながら何度も繰り返し言ってくれました。
 ぼくは、今もじいちゃんとよく話をします。以前より、話す時間が長くなったり、宿題もそこでしたり、おやつも一緒に食べたりと、じいちゃんのそばにいる時間が長くなりました。夏の終わりには一緒にさつまいもの収穫もできました。じいちゃんは、よくぼくに、「浩裕がいるから、元気でいられるよ。」と言います。ぼくのほうこそじいちゃんのおかげで元気でいられると思っています。
 今まで当たり前のように過ごしてきた日々がとても大切なものだったと実感した今、この幸せな日々が来年も再来年もずっと続いてほしいと思います。