受賞作品展示 作文部門
令和3年度(第58回)受賞作品

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文部科学大臣賞(低学年の部)

天国へ行ってから

福井県 福井大学教育学部附属義務教育学校 3年

木村 百花

審査員のコメント

 自分で捕まえたキタキチョウの胸を震える指でつまみ、命を奪っていく。そうして作った昆虫標本は、上手に出来上がります。 この体験をきっかけに、百花さんは、命と標本作りの関係を考えることとなるのです。 たまたま見つけたクワガタの死骸で標本を作ったことで、自身が体験した2つの標本づくりの意味を比べるようになります。 「天国へ行ってから」という題名に込めた百花さんなりの答えに至るまでどのように成長していったかが、 この見事な構成とともに心のうちから出てくる言葉で綴られた、素晴らしい作品でした。
crown

受賞者の言葉

 しょうをもらったことを一番知らせたかったのは、ひょう本にしたキタキチョウです。もっとおいしいみつをすえたり、けっこんしたり、楽しいことがあったかもしれないのに・・・。自分の勝手で大切な命をうばってしまいました。
「ごめんね。本当にありがとう。」
 ひょう本箱のガラスをそっとなでて、心からお礼を言いました。
 このしょうをもらえたのは、自ぜんしはく物館の先生のおかげです。わたしは生き物が大好きで、じっくりかんさつしていると「なんでだろう」と思うことがたくさん出てきます。そんな時、はく物館の先生は、いつもヒントをやさしく教えてくれます。
 これからも「どうしてなんだろう」とふしぎに思うことを、もっとたくさんの本を読んだりインターネットで調べたり、先生に聞いたりして、はく物館の先生のような生き物はかせになりたいです。