受賞作品展示 作文部門
令和4年度(第59回)受賞作品

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文部科学大臣賞(低学年の部)

しゃわあがこわい

鹿児島県 指宿市立柳田小学校 1年

森 桃子

 つめたい!いきができない!わたしは、はじめてのぷうるのひ、しゃわあがこわくてなきました。あたらしいみずぎとぷうるどうぐをよういして、とてもたのしみにしていたのに、がっこうのしゃわあは、うえからもよこからもみずがでて、かおにみずがかかるのがこわくてなみだがでました。
 みんなはこわくないのかな。わたしもできるようになりたい。そのひからおうちでとっくんをはじめました。おふろでしゃわあをかおにかけたり、あたまからかぶったりしました。できる。こわくない。そうおもっても、なみだがぽろぽろでてきます。わたしがないていると、おかあさんが、
「こわいときはここをぎゅっとにぎってごらん。」
といって、すいえいぼうのうらにちいさくさかなのえをかいてくれました。
 つぎのぷうるのひ、またなみだがでてきました。なみだは、どんどんおおきくなってとまりません。おともだちが、
「ももこさんしんこきゅうして。」
といってくれたので、おおきくしんこきゅうをすると、なみだがすこしとまりました。せんせいは、
「しゃわあがいやならばけつでみずをかぶってごらん。」
といってくれたけど、できないのはくやしいから、さかなのぼうしをぎゅっとして、おもいきってしゃわあにいきました。しゃわあがでるあいずのせんせいのふえが、すこしはやくかんじました。
 みんなが、できたね!といってくれたけれど、わたしはもっとがんばって、もっとだいじょうぶになりたいとおもいました。
 にわのぷうるでとっくんをまいにちつづけると、みずにかおをつけるのがへいきになったので、つぎはもぐるとっくんです。おかあさんがなにかぷうるになげました。ひろうとおはじきでした。むちゅうでひろっているうちに、もぐれるようになっていました。
 つぎはうかぶとっくんです。てとあしをおおきくひろげます。でも、ちからがはいって、あしがしたについてすぐにたちあがってしまいます。おとうさんが、
「いきをおおきくすって、ちからをいれないで、うかぶまで5びょうかぞえてごらん。」
といったので、すうーっとたくさんいきをすって、いち、に、さん、し、ご、とかぞえました。するとあしがぷかーっとういてきました。
「できた!ういた!やったぁ!」
うれしくて、うれしくて、はやくおともだちやせんせいにみせたいとおもいました。
 ひさしぶりのぷうるです。ちょっとこわいけどゆうきをだしてはいりました。するとみずがきもちよくて、こわいきもちよりたのしいきもちがおおきくなって、もぐるのもうかぶのもできました。みんながはくしゅをしてくれました。
 いっしょうけんめいれんしゅうをすると、できるようになることがわかりました。みんながおうえんしてくれたり、よろこんでくれたりしたことがとてもうれしかったです。
 またなにかにがてなことがでてきても、いっしょうけんめいがんばろうとおもいました。

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審査員のコメント

 日常生活をしていると思わぬところに苦手が潜んでいます。桃子さんにとってはプールに入る前のシャワーでした。どのように克服していったかを、その時の自分はどのような気持ちだったか自分に問いかけるようにして思い出し、同時に周りの人たちの励ましや支えにも気づきます。一つ一つできるようになるまでの出来事をひとまとまりとした構成に整え、素直な文章で表現しています。読んでいる私たちも桃子さんと一緒に頑張っている気持ちになり、応援したくなってしまう素敵な作品でした。
crown

受賞者の言葉

 夏休みのさく文をなににしようかかんがえて、シャワーができなくてくやしかったことをかこうとおもいました。
 ながい文しょうなので、とっくんのときのしゃしんを見たり、シャワーのときのことをえにかいたりしてから、こころの中をまとめてかきました。
 だい名をきめるとき、プールのはなしだけどシャワーがこわかったことのほうが大きかったので、「シャワーがこわい」にしました。
 おもったことをことばにするのと、てんとまると「」をつかうのがむずかしかったです。
 でもいまは、たのしかったことをにっきにかいたり、わからないことばをこくごじてんでしらべたりすることがたのしいです。
 プールはにがてだったけれど、みんながおうえんしてくれてやる気が出て、さいごはたのしくなってよかったです。
 それをさく文にかいて、いっとうしょうをもらえてとてもうれしかったです。
 つぎはとびばこをがんばりたいです。