受賞作品展示 科学部門
令和6年度(第61回)受賞作品

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文部科学大臣賞(低学年の部)

暑い夏を乗り切ろう! 体のクールダウン大作戦!

富山県 富山大学教育学部附属小学校 3年

中山 桃嘉

審査員のコメント

 この児童はテニスが大好きで、30度を超える暑さの中でも「もっと快適にテニスをしたい」という思いが動機となり、体のどの部分を、どのように、どれぐらい冷やすと体が速くクールダウンするのか探っていきます。そのために、まず体について、冬に温める部分、熱が出たときに冷やす部分、テニスをしたときに熱くなる部分を考えるということから入っていきます。
 そして、本論となる実験では、体の7か所を保冷剤で冷やした場合や、3種類の冷たい水を飲んで体の内部から冷やした場合を調べますが、お医者さんにインタビューも行うことで、研究の質が高まっていると感じました。さらに、保冷剤を入れるのに適したカバーの素材を調べる実験も行い、これらの実験結果を基に、実際に暑い中でのテニスにフィードバックしていきます。
 湿度の要素はどうなのかとの意見も出ましたが、自分の体を使って研究を行っている点がすばらしく、また、自分の生活に役立てたというのはとても価値があるということで高い評価となりました。
crown

受賞者の言葉

 運動が大好きな私にとって、暑い夏でもいかにかいてきに運動ができるかは、とても重要です。「体のどこをどのようにどのくらい冷やせば大好きなテニスがかいてきにできるのかな?」そんな疑問から『体のクール大作戦』の研究を始めました。
 この研究で、大作戦が成功しただけでもうれしかったのに、「文部科学大臣賞」に選んでいただいたことを知った時は声をのんだくらい信じられない気持ちとうれしさでいっぱいになりました。アドバイスをくださった理科の先生や実験を見守ってくれた家族にとても感謝しています。ありがとうございました。
 実験では、保冷グッズで体を冷やしたり、冷たい水を飲んだりして、体温を180回くらい測りました。じっとして体温を測るのがつらくなる時もありました。データをグラフにするのもむずかしかったです。でも、それを乗りこえて、冷やす部分と体の仕組みとの関係が分かった時は、目の前にパッと花がさいたような気持になりました。
 この研究をしたことで、私は熱を出した時や冬になって手足が冷たく感じた時に、自分の体の感覚にもっと興味を持つようになりました。
 私はこれからも小さな疑問を大切にしていきたいです。