受賞作品展示 作文部門
令和4年度(第59回)受賞作品
全国連合小学校長会会長賞
友達みたいな弟?
愛知県 岡崎市立藤川小学校 4年
村雲 幸助
ぼくには、友達がいません。がんばってもなかなか友達ができません。友違のいないぼくは、友達がどんなのか分かりません。いつもいっしょ。たまには、けんかもする。こまっていたら助け合う。それが友達なのかな。本当は、友達がほしいです。
ぼくは、友達がいないさみしい子に見えますが、さみしくありません。それは、ぼくには友達みたいな?ふた子の弟がいるからです。
ぼくたちは、学校のクラスはバラバラです。学校では、話すことはほとんどありません。話さないのは、よくにているぼくたちがいっしょに話しているのを周りのお友達に見られるのがてれくさいからです。でも、家に帰ってくるとずっといっしょにいます。お母さんによく、
「うるさい。」
と言われるくらいずっと話しています。その時間が、一番楽しいです。
ぼくたちは、同じ習い事をしています。いっしょに歩いていく習い事もあります。歩いているところをいろいろな人に見られていて、声をかけられます。ぼくたちの歩いているところは、とても楽しそうに見えるみたいで、
「二人だと楽しそうだね。」
と言われます。いつもいっしょ。友達もこんな感じなのかな。
たまにけんかもします。やりたいことや遊びたいことがちがって、小さなけんかになります。でも、体の大きさも同じくらいのぼくたちは、引き分けになり、いつもわらって終わることがほとんどです。たまにけんか。友達もこんな感じなのかな。
こまっていたら、助け合うことはいっぱいあります。特に弟は、こわがりだから、一人で行動することをいやがります。いっしょにいたいみたいで、何でもさそってきます。夜の部屋が特にこわいみたいで、くっついてきます。ねるのもこわいから、おとまり会もたまにします。二だんベッドだから、どちらかのふとんでねるだけですが、それでも楽しいです。楽しくて、おそくまでおしゃべりしているとまたお母さんに、
「うるさい。」
と言われてしまいます。でも、ぼくにたよってくれるのは、うれしいです。こまっていたら、助け合う。友達もいっしょかな。
弟がいれば、友達がいなくてもいいかなと思う時もたまにあります。周りからも言われます。
「一番近くに一番仲よしの友達みたいな人がいるからいいね。」
と、これを聞くといいことばかりみたいですが、一つ、ふた子でいやだなと思うことがあります。それは、くらべられることです。友達だとくらべられるのかな。ライバルっていうから、やっぱりくらべられるのかな。
でも、ぼくはくらべられてもいやな思いをしたことがありませんでした。習い事もぼくの方がやることが早く、先生やお母さんにおこられるのは、すぐに調子に乗る弟の方ばかりでした。
ところが、七月のスイミングのし験で、初めて弟が先に受かり、ぼくはおいてかれてしまいました。しかも、スイミングの時間もバラバラになり、いっしょに行くこともできなくなります。バラバラの時間は、初めてです。
実は、このし験の前、練習のためにプールに泳ぎに行きました。その時、今まで思ったことがなかったことがありました。それは、弟の泳ぎがうまく見えたことです。初めて、おいてかれるかもと思いました。そして、思った通りになってしまいました。
スイミングの帰り、車の中でぼくは初めて、いっぱいなきました。くやしくて、なみだが止まりませんでした。コーチには、弟ができなかったことが急にでき、ぼくはまだできてないから受からなかったとはっきり言われました。とてもくやしかったです。いつもは、弟が言われているから分からなかったけど、今回のことで、言われる方の気持ちが分かったので、ちょっとよかったと思います。それとぼくが落ちてもやさしくしてくれた弟は、ちょっとかっこよく見えました。
くらべられるのは、いやだけど、いろいろな気持ちが分かったので、これからは弟にもやさしくしてあげたいです。
ぼくは、好きな弟に言いたいことがあります。ぼくたちの名前、「幸助」「福助」は、お父さんとお母さんが付けてくれました。
「人に助けられる。」
「人を助ける。」
「人に幸福にされる。」
「人を幸福にする。」
という意味があると聞きました。今は、まだ人に助けられることばかりだけど、いつかは人を助ける人になりたいね。一人では、ちょっとむずかしいかもしれないけど、弟と二人でならできる気がします。
あと、やっぱり友達はほしいです。
弟みたいにいつもいっしょにいて、たまにけんかもして、こまったら助け合う、そんな友達がほしいです。いつか友達ができたら、弟もいっしょにみんなで遊びたいです。これからの学校生活の目ひょうにします。