受賞作品展⽰ 作⽂部⾨
令和6年度(第61回)受賞作品
全国連合小学校長会会長賞
はがぬけた
愛知県 蒲郡市立形原北小学校 1年
杉浦 ゆき
わたしは、なつやすみにはがぬけました。ずっとはやくはがぬけてほしいとおもっていました。ともだちもいとこもずっとまえにぬけていたからです。わたしだけまだちいさいこみたいでいやでした。
なつやすみになりました。わたしのはがぐらぐらしてきました。もうすぐぬけるとおもってわくわくしました。はいしゃにいったとき、
「もうぬけそうだね。ぬいてあげようか。」
ときかれました。わたしは、
「いい。このままにする。」
といってかえりました。ぬけてほしいのにこわい。ぬけるときいたいのかな。ちはでるのかな。
とうもろこしをかじるとき、うまくたべられません。おかあさんが、
「みせて。どのくらいぐらぐらしてるの。」
とゆびではをつかみました。すると、ぽろっとはがとれてしまいました。わたしは、「え。いまぬけたの。」
とびっくりしました。すこしちがでました。でもいたくありません。うれしくてすぐに、おばあちゃんにもおじいちゃんにもひいおばあちゃんにもいいました。
「おめでとう。かおをみせて。」
とみんな、はがぬけたかおをみてわらっていました。ぬけたはは、ちいさくてかわいかったです。たいせつにペットボトルのふたのなかにいれました。おかあさんが、
「はをやねのうえになげる?すくすくはがうえにむかってのびるおまじないだよ。」
といいました。まだぬけたはといっしょにいたいな。でもおとなのはがのびなかったらいやだな。なやんでいたらおかあさんが、
「いまぬけがはは、あかちゃんのときはじめてはえてきたはなんだよ。」
とおしえてくれました。
ゆびでぬけたはのところをさわってみたら、あたらしいはがすこしでていました。はじめてのおとなのはです。おとなのはもおおきくなってほしいな。わたしは、はをなげることにきめました。
おかあさんとにわにでました。やねのうえはとてもたかいな。とどくかな。わたしは、はをにぎってちからぜんぶでなげました。でも、やっぱりとどかずにもどってきてしまいよした。おかあさんにたのみました。おかあさんは、そらまでたかくなげました。カランといってはは、みえなくなりました。
「おおきくなったね。」
とおかあさんがいいました。うれしくておかあさんにだきつきました。
すくすくのびてね、わたしのは。