受賞作品展⽰ 作⽂部⾨
令和6年度(第61回)受賞作品

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全国連合小学校長会会長賞

私のお父さん

愛知県 岡崎市立本宿小学校 3年

大須賀 華

 私のお父さんは、少しかわっている。車やお家にきずがついても
「味が出ていいねえ。」
とおこるどころかわらっています。妹がお母さんのおなかにいる時にびょう気があるとわかった時も、
「ぜったいかわいいからだいじょうぶ。」
とわらっていました。しんぱいしょうの私とははんたいのせいかくです。そんなお父さんは、ボートレーサーという仕事をしています。ボートレースはぐんまけんから長さきけんまでニ十四場あります。色いろな場所に新かんせんやひこうきでレースに行きます。だいたい一週間くらい行っていて、宿しゃにとまりこみで、スマートフォンもあずけてしまうので、れんらくはいっさいとれません。レースは、六人でたたかいます。一ちゃく二ちゃく三ちゃくを、おきゃくさんがよそうして当たると、おきゃくさんはお金がもらえます。そんな仕事をしているお父さんは、月の半分は会えません。仕事が終わって帰ってくると、いつもおいしい食べ物を買ってきてくれます。とくにうれしいおみやげは、おか山けんのシャインマスカットです。やさしくておもしろいお父さんが大すきです。
 お父さんのしゅみはゲームです。お父さんのヘやにはモニターがたくさんあって、友だちと楽しそうにゲームをしています。とても自由です。数年前にきゅうに弟子が二人できました。今までおそねおそ起きだったお父さんが早起きして、弟子の練習に毎日行くようになりました。そのころからお父さんのせいせきが良くなって、四つのランクのうち一番上のA1に上がりました。お父さんのレースを見ていると、ボートとボートがぶつかってけがをしてヒヤヒヤするけど、一着をとったり、ヘルメットに私や妹の名前が入っているのを見るとうれしくなります。なんかいかボートレース場に行ってなまでレースを見たけど、エンジンの音がはく力があってすごく楽しかったです。しかしなかには、
「大須賀ふざけんな!」
とおこっているおきゃくさんもいました。つねにせいせきを出されて、まけてしまうと心ない言葉を言われるお父さんの仕事は、とてもきびしいせかいだなと思いました。きっとおちこんだりいやなこともたくさんあったりすると思うけど、私と話すときはニコニコ明るいお父さんです。ふとなんでお父さんはボートレーサ—になったのか気になって聞いてみると、
「学生のころよくお友だちとボートレース場に行っていてボートレースがすきだったからだよ。」
と言いました。大学生だったけどボートレーサーになるために、毎日走ったりきんトレをしたり、やるときめたからにはたくさんど力したそうです。あとからお母さんにこっそり聞いた話ですが、大学のたんいがたりなくてやばかったのもあるそうです。そしてボートレーサーのしけんに一発合かくして、ふくおかけんの、やまときょうてい学校に行ったそうです。そこで一年間とてもきびしいくん練や生活をおくることになります。朝はチャイムがなると、すぐに起きてふとんをかたづけて、きがえて、数分でくん練生はあつまり、せいれつしなければいけません。そしてかんぷまさつから一日が始まります。もちろんケイタイきんし、外出きんし、家族にも会えません。でも一年間がんばってそつぎょうしたらボートレーサーになれるといいきかせてゆめをもって毎日すごしたそうです。
 お父さんは、こう言いました。
「ゆめはぜったいにかなうわけではないけど、人にわらわれても自分がやりたいと思ったことは、ど力してちょうせんしてみることが大事だよ。そのけいけんは華にとって大人になった時やくだつからね。」
と教えてくれました。今私は、メイクやダンスが大すきです。すきなことをたくさんみつけてど力をし、色いろな事にちょうせんしていきたいと思いました。今日から長さきけんでレースがあります。今回のおみやげはカステラ。楽しみだな。

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